7月29日 欧米市場為替戦略 《16:03》
米耐久財受注が事前予想を下回ったことや、米地区連銀景況報告で一部地区に景気回復の鈍化が確認されたことが要因で、欧米株式市場下落に連動する格好で、リスク許容度低下の地合いとなる中、ユーロドル、ポンドドル、豪ドル・ドルとドル円の下落から始まった。その結果、他通貨円は、対米ドルで他通貨が弱まり、円が強くなったため、下げる地合いだ。
ユーロドルは1.3000ドルから1.2975ドルへ、ポンドドルも1.5605ドルから1.5585ドルへ、豪ドル・ドルも0.8940ドルから0.8925ドルへ軟調に始まった。また、ドル円は日経平均下落によるリスク回避の中、87.50円付近から87.17円まで軟調な展開だった。他通貨円は、対ドルでユーロ、ポンド、豪ドルが弱くなる中、円だけが強くなったため、ユーロ円は113.70円から113.20円まで下げた。ポンド円も136.65円から135.90円へ、豪ドル円も78.20円から77.80円付近まで下落した。
市場筋は、米国経済の後退をリスク許容度低下による他通貨ドル売り(他通貨売り/ドル買い)とドル円売り(ドル売り/円買い)とみるか、米国経済後退を重視した対他通貨と円でのドル売り(他通貨買い/ドル売り、ドル売り/円買い)とするか、見極める必要がある。昨日の米耐久財受注の大幅低下と米地区連銀景況報告で米経済先行き不透明感が浮上したことにより、どちらを重視するかによって、他通貨ドルの方向が決定される。いずれの場合でも円は買われる地合いとなる。
朝方は、リスク回避による動き(他通貨ドル売りとドル円売り)が先行した模様だが、その後は米国経済先行き不安によるドルを対他通貨と円で売ることを強めたと思われ、ユーロドル、ポンドドルと豪ドル・ドルは買い戻されている。ユーロドルは1.3015ドルへ、ポンドドルは1.5625ドル、豪ドル・ドルも0.8968ドル付近へ買い戻された。ただ、ドル円は87円前半で推移している状況だ。円が小幅な動きだったため、他通貨ドルの上昇に連動する格好で、他通貨円の下値は切り上げられた。
因みに、米国経済先行きに楽観的になれば、リスク許容度上昇による他通貨ドル買い(他通貨買い/ドル売り)とドル円買い(ドル買い/円売り)となるか、米国経済を重視したドル買いを中心とする対他通貨と円でのドル買い(他通貨売り/ドル買い、ドル買い/円売り)となる。同じ米経済回復期待が先行する条件の中、前者は他通貨に対してドル売り、円に対しドル買いとなり、ドルは他通貨と円との間では中立的価値となり、他通貨円の上昇となる可能性は高まる。ただ、米国経済を好感したドル買いとなれば、ドルが対他通貨と円で買われるため、他通貨と円が中立的な存在となり、他通貨円の方向感は掴み難くなる。
EUストレステスト後、欧州金融市場に波乱はなく、落着きを取り戻したことから、ユーロが対ドルで底堅い地合いとなっており、再び、1.3050ドル付近を試す動きが強まるとみられる。ただ、引続き1.3050ドルの重さを材料に、ショートポジション形成する向きもあると観測されるが、米国経済の先行き不安によるドル売りを重視すれば、ユーロドルの一段の上昇は期待できる筈だ。朝方売られたユーロドルは、米国側の弱い材料を背景に、買い戻されつつあり、1.3020ドルまで回復している。
ポンドドルも下げた後の買戻しとなったが、ポンド安による英国経済のインフレ懸念が指摘され、BOEの上限とする3.0%を上回る現在の状況では、政策金利の利下げ観測は大きく後退することだろう。BOE金融政策委員会の一部は消費者物価が予想以上に上昇していると指摘していることも、出口戦略政策を無視することは出来なくなることだろう。米国経済先行き後退観測が強まる中、直近の英GDPが1.1%と4年ぶりの好調だったこともポンドドルの下支えとなり、リスク回避によるポンドドル売りとなることも考えられるが、米国側のドル売りと英インフレ懸念に対する利上げ観測のポンド買いの組合せによって、ポンドドルの上昇が期待できそうだ。一旦、1.55ドル後半まで下げたが、1.5625ドル付近まで買い戻された。
他通貨円は、米国経済の後退を重視し出したため、対米ドルで他通貨ドル買いと円買いの組合せとなり、他通貨円の方向感を掴み難い状況だ。ただ、円が対ドルで小幅な動きに終始したため、他通貨ドルの動きが他通貨円の方向を決定付けることとなった。朝方売られた他通貨円は、他通貨ドル買戻しによって、上昇に転じている。ユーロ円は113.50円へ、ポンド円136.30円へ、豪ドル円も同様に、78.25円付近へ回復することとなった。
海外市場で、引続き米国経済の悪化を懸念することとなれば、対円と他通貨でドル売りが先行することとなると思われるが、他通貨上昇率が円上昇率を上回る状況となれば、他通貨円の底堅い展開が継続されるはずだ。ただ、ドル円が86円半ばへ大きく下げることとなれば、それ以上に他通貨ドルの上昇が必要になることとなる。
※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、みなさまに特定の商品をお勧めするものでもありません。上記の為替レートは、参考レートです。
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