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5月31日 欧米市場為替戦略 《16:00》

5月31日欧米市場
【市場注目ポイント】
鳩山政権、運営能力懸念と財政再建策の不透明さ
朝鮮半島、緊迫化
独政府ECBの対立懸念
イタリア、スペインなど緊縮財政による経済停滞観測強まる
EU圏重債務国連続格下げ懸念

【欧米市場為替売買シナリオ】
  スペイン格下げを材料に大幅な下落となったユーロドルは1.2255ドル付近を底値に一旦、買戻しの動きが強まった。EU圏重債務国の格付けが相次ぐ中、スペインの格下げは想定されたとされるが、やはり、格下げとなればユーロドル売りに直結する材料だ。ただ、本日の英米市場が休場になるために、ポジション調整と見られる買いによって、1.2332ドルまで上昇した。

  東京時間、新規のユーロドルに対する悲観的材料がないだけに、積極的な売り圧力とはならず、買戻された水準での売りに徹するという短期筋が多いと観測される。ただ、独政府がEU圏重債務国への支援に積極的ではないうえ、基本的な基準を達成できないEU圏加盟国を排除する仕組みを設けるべきだとの発言に、ビニ・スマギECB理事が、具体的な国名は挙げなかったもの「EU圏の主要国」に批判的は発言をしたため、ECBと独政府との対立が深まっていると判断され、ユーロドルの一体感の欠如が感じられる。上昇力が無いだけに、引続きユーロドル売りとしたい。

  また、ポンドドルは英財政悪化解消に時間が掛かるとの見方がある中、英財務担当相の不正経理問題が表面化したことに、1.44ドル半ばから1.4425ドル付近へ下落して始まったが、ユーロドルに連動する癖があるポンドドルは、一旦、1.4490ドルまで上昇した。だが、ローズ英財務担当相後任のアレキサンダー議員の不正問題も浮上し、ポンドドルの上値は抑えられる結果となった。連続する英連立政権の不祥事に、連立維持に打撃となることは事実だろう。週明けの英国はバンク・ホリデーで祝日となるが、欧州勢がこの問題を蒸し返す可能性もある。また、英自民党と保守党の連立政権維持のために、英国の財政再建プログラムが後退する可能性も高まっており、財政再建の遅れがポンドドル売りに加速を付けると思われる。

  ユーロ建て、ポンド建て投資抑制を否定した中国、中東、ロシアだが、昨年のドル安時に、ユーロ資産へ変更や、中東が石油取引におけるドル決済をユーロ建てにするとの方針だったが、今回のユーロドル下落過程で、これら政府が売りを持ち込んだとの見方も出ている。同時に、1.24ドル後半から1.25ドルでアジア中銀の売りが控えているとの観測が市場にあるため、政府筋の否定もどこまで信用してよいか不明だ。基軸通貨である米ドルを保有するのとはことなり、制度上の不備が露呈した通貨であるユーロを保有しす続けることに疑問が残る。

  英欧財政問題に大きく影響を受けた豪ドル・ドルの売り一巡後と見た本邦機関投資家など資本筋は、中国経済の安定見通しが高まる中、豪経済回復による追加利上げ観測などを背景に、豪ドル・ドルは0.8430ドル付近から0.85ドル前半へ大きく買い戻されている。ユーロドル、ポンドドルの上値余地が無いだけに、大きく下げる場合、豪ドル・ドルが下げに転じる見方もあるが、下げた場面での買いにという戦略に転じたと思われる。一旦利食いの豪ドル・ドル売りも想定されるが、下げた水準では買い戻したい。

  英欧ソブリン・リスクがある中、日経平均と上海総合株価指数が底堅く展開したことでドル買いが先行した。一方、鳩山政権運営の危うさ、財政削減策提示の不透明さなどを材料に、海外勢が円売りを先行させているようだ。経済成成長戦略と財政再建策の欠如が日本国債格下げの条件とすると米格付け会社が示唆していることにより、鳩山政権が財政再建策の提示が遅れれば、突如と円売りになる可能性ははらんでいる。また、週末の米雇用統計の大幅改善予想もドル買い材料となっており、日本の円売り材料と共鳴しながら、円急落となることも予想される。このような環境化、ドル円は90.95円から91.55円付近へ右肩上がりの展開となった。

  他通貨円だが、円が対ドルで弱くなる中、他通貨が対ドルで上昇地合いとなったため、基本的に他通貨円は買われるという結果となった。特段、他通貨を対円で買うという材料はないのだが、ドル円と他通貨ドルの動きの合成によって、他通貨円が上昇したこととなっている。特に、ユーロドルとポンドドルの上値が限定的となったが、ユーロとポンドは、ドル円が大きく上昇した影響によって、対円で上昇したことになった。

  ユーロドルが1.2280ドルから1.2330ドル付近を上値に1,23ドル付近で推移する中、ドル円が90.95円から91.55円へ上昇したために、111.70円から112.90円まで上昇。その後、112.70円で推移している。ドル円の底堅い上昇が、ユーロ円への影響の大きさを物語っている。ポンド円も131.60円から132.65円まで上昇後、132.35円で引けた。一方、豪ドル円は、ドル円と豪ドル・ドルの上昇(対米ドルで円安と豪ドル高の組合せ)で76.50円から77.90円付近まで一方的な上昇となり、高値水準で推移している。

【本日のポジション戦略】
《ドル円》米雇用統計改善期待も、鳩山政権運営混迷・財政事情改善不可
ドル買いゾーン91.30-45円
ストップロス90.95円
ターゲット91.85円
(16:00、91.38円)

《ユーロドル》スペイン格下げ後もEU圏重債務国格付け下げ観測強まる。緊縮財政による経済停滞。ポジション調整の買いも上値限定的
ユーロ売りゾーン1.2285-00ドル
ストップロス1.2345ドル
ターゲット1.2180ドル
(16:00、1.2288ドル)

《ポンドドル》英財政再建検討も、キャピタルゲイン税に投資意欲低下。英政権内不祥事。
ポンド売りゾーン1.4465-80ドル
ストップロス1.4525ドル
ターゲット1.4380ドル
(16:00、1.4477ドル)

《ユーロ円》ドル円小幅上昇期待の中、EU圏緊縮財政による経済停滞に反応
ユーロ売りゾーン112.30-45円
ストップロス112.90円
ターゲット111.20円
(16:00、112.33円)

《ポンド円》ドル円小幅展開の中、英政権の乱れにポンド売り先行
ポンド売りゾーン132.20-35円
ストップロス132.85円
ターゲット130.80円
(16:00、132.30円)

《豪ドル円》損切り一巡後の買い需要高い
豪ドル買いゾーン77.35-50円
ストップロス76.85円
ターゲット78.10円
(16:00、77.45円)

5月31日 東京市場為替戦略 《8:00》

  中国政府系ファンドのユーロ投資抑制報道を否定したことによって、ユーロドルを買い戻す動きが継続され、1.2450ドルまで上昇した。ただ、中東、インド、ロシアなど過去にドルからユーロへ資金移動されたと観測されるだけに、ユーロドル下落過程で、既に外貨準備資産の構成を変更したとの見方も浮上している。また、東京時間では1.24ドル前半から1.25ドルにかけて、アジア系中央銀行のユーロドル売りオーダーが控えているとの見方もあり、ユーロドルの上値は限定的となった。中国政府系ファンドのユーロへの投資継続を表明した所で、EU圏財政問題の解決に結びつかず、ユーロドルの積極的な買い材料とはなっていない。

  EU圏重債務国の緊縮財政策が検討される中、ギリシャ、ポルトガルに次いで、スペイン政府が最も厳格な緊縮財政政策を僅か議会の1票差で可決したことが、今後の経済成長を低迷させるとの見方が強まった。加えて、格付け会社フィッチ・レーティングスは債務削減の過程で経済成長率が低下する可能性があると理由から、スペインの信用格付けを引下げた。

市場コンセンサスが緊縮財政による経済成長の鈍化が税収減になるということになっているため、EU圏重債務国が財政再建へ積極的になればなるほど、格下げ懸念や財政削減計画の頓挫が強まるということとなり、ユーロドルの売り圧力は高まるばかりだ。買い戻されたユーロドルは、その後、下支えをする材料に不足し、1.2265ドルまで急落する展開となっている。また、独財務相は財政赤字削減のための増税の可能性を否定しないと述べたことも、経済停滞に繋がる恐れもあることから、ユーロドル売り材料だ。

  大局的なユーロドル下落の中で、ユーロに対する悲観的な材料に否定することで、一旦ユーロドルの上昇になることが多いが、経済成長低迷によるGDP低下に中、根本的な債務残高の軽減にはならず、ユーロにとっては弱材料だ。毎年の財政赤字をGDP比3%へ向け削減策を実施したとしても、債務残高を軽減するには至らない。また、EU・IMFによる緊急資金枠は一時的な資金繰りを緩和させるに過ぎず、財政赤字の先送りになることに市場は否定しているため、ユーロドルの下落は継続すると推測される。

  また、独政府の空売り規制に対しても、EU圏全体で実施するものではなく、独政府が他のEU圏加盟国による財政赤字の被害を回避すると見られる目先の手段と観測され、EU主要国の足並みの乱れと判断されやすい。軟調な地合いに転じたユーロドルに買い材料はなく、引続き売りが継続されることだろう。
  
  また、中国によるユーロ投資の悲観的見方が後退したことと日本の政治混迷と財政削減策が提示されないことを材料に91円半ばで推移したドル円は、米シカゴ購買部協会が発表した5月の景況指数は59.7と、前月の63.8から低下したため、一時90.64円まで急落した。ただ、3連休と月末を控えたポジション調整が中心となり、短期筋の買戻しが先行し91.10円で引けた。

社民党が連立政権からの離脱を決定した政治の混乱に対して市場では、政治空白を嫌気した海外投資家による「日本売り」を懸念する声が高まる可能性は強い。財政削減策の提示もできない鳩山首相辞任ともなれば、政治混迷による円売り材料となることと思われる。米経済指標の悪化で買われた円だったが、それ以上に円売り材料の注目度が高く、日本の悪材料が先行したようだ。引続き、円売り予想としたい。

5月27日 欧米市場為替戦略 《14:00》

日米欧中央銀行はスァップ協定に基づき、金融市場の安定化を図るためにお互いに資金供給を実施しているが、EU圏各国が財政再建を急ぐあまり、緊縮財政実施による経済及び金融市場の収縮懸念に、一部の欧州系金融機関の資金調達が困難になっている。債券市場では一部の国の財政再建能力への疑念が広がっており、ギリシャに次いで、スペイン、ポルトガル、アイルランドの債券利回りの上昇(価格下落)に歯止めが掛かっていない。

  既に、新聞報道でもあるように、欧州系金融機関の抱えるEU圏内の重債務国国債価格の大幅下落に伴う引当金の増額もユーロ売り材料となった。それに連動するように、EU委員会は、銀行破綻時の資金注入資金を事前に準備するため、銀行税を検討するとしたことも、EU圏内の銀行システム不安定となったことの証だ。資金調達時のコスト高も経営の負担になることも予想される。お互いに、与信枠を減額することが金融市場の流動性を低下させ、経済回復の足枷となる負の連鎖が予想される。

  中国政府系ファンドがユーロ投資継続を示唆する中、昨日の海外市場から下げ過ぎたユーロドルのポジション調整とみられる買いによって、1.2165ドルから1.22ドル後半へ戻されているが、上記材料により、引続き売りとなるだろう。中国系ファンドはユーロ投資継続を示唆する報道もあったが、中国政府の外貨準備高の通貨構成比率の変更報道は、中東、インドなどへ波及する可能性が高く、ユーロドル売り要因だ。

  また、ポンドドルはユーロドルに連動する展開が続いていたが、英欧財務省幹部による財政再建の迅速的な対応が重要との合意を評価され、下値も限定的となっている。昨日の海外市場では、1.43ドル半ばから1.44ドル半ばを上下する展開だったが、1.43ドル台は買われる動きが先行し、1.4380ドルから1.44ドル半ばへ戻された。

ただ、英国の財政削減内容が62億ポンドに留まり、オズボーン財務相が検討しているキャピタルゲイン税の税率を現行の18%から40‐50%まで2倍以上に引き上げる増税案を提示しているなど来月発表される削減策が厳格となれば、経済後退懸念が強まり、ポンドドル売りになるだろう。一方、曖昧な内容となれば、それ以上に財政悪化懸念が高まり、売られる地合いになり、いずれの場合でも、ポンドドルの上値は限定的と見られる。

  一方、英欧通貨動向に左右され易い地合いとなった豪ドル・ドルだが、豪政府、資源税撤回の計画との報道に、0.82ドル前半から0.83ドル前半まで上昇した。ただ、機関投資家も買い需要は高まったが、下げ速度が速くなったため、損切りの開店も早まったようだ。東京時間はユーロドルなど下値の堅さに豪ドル・ドルも上昇しているが、海外市場でのユーロドルに対する悲観的な見方によって、豪ドル・ドル下落の可能性は高い。引続き、上昇した場面での売りとしたい。

5月27日 東京市場為替戦略 《8:25》

ポンドドルも英欧株式市場の上昇に連動する格好で、1.4390ドルから1.4420ドルまで一時的に上昇したが、ユーロドル下落に連動するように1.4350ドル付近まで下落した。ただ、OECDがBOEに対しインフレ圧力の高まりに伴い年内に政策金利の引き上げを始めるとともに、資産購入規模を縮小する必要があると呼び掛けたことによって下げ速度は限定的となった。また、オズボーン英財務相とガイトナー財務長官が財政再建に迅速に対応すると合意したため、1.4438ドルまで急上昇したが、ユーロドル下落圧力は強く、堅調だったNY株式市場下落によって1.43ドル後半で引けた。

 英連立政権が財政削減に意欲を高めているが、英保守、自民間での具体策に不安があり、EU圏経済の大幅な後退の悪影響がポンドドル売り材料となっているため、米英財務相の財政削減への合意も上辺だけのものに感じられる。上値は1.44ドル前半が限度とみられ、引続きユーロドル下落に連れて、下げる可能性は非常に高い。

  また、豪ドル・ドルは英欧通貨上昇に連動し、0.82ドル半ばから0.8380ドルまで上昇する展開となったが、ユーロドル売りに加速が付いた影響によって、一時0.82ドルまで売り込まれた。引けは0.8240ドルだが、ユーロドルが予想以上に売られたため、一時的に買い戻した機関投資家の損切りが観測される。

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5月26日 欧米市場為替戦略 《16:00》

ポンドドルもユーロドルと同じ波形を形成し、1.4420ドルから1.4360まで一旦下げたが、1.4390ドル付近まで戻した後、1.4350ドル付近での展開となっている。EU圏経済に回復の兆しがない中、英経済への悪影響となり、財政再建を進める英連立政権にとっては痛手だろう。米格付け会社が英経済の後退懸念の中、財政再建の遅れを理由に英国債の格下げするとの観測もあり、62億ポンドの緊急財政削減策を発表以降、消極的な政権運営にポンドドルの上値は限定的となることだろう。

  昨日のポンドドル下落が1.4340ドル付近から始まったことため、この水準を突破すれば、下値1.42ドル半ばまで下げるとみられる。昨日の上昇はショートポジションの買戻しと損切りによって上昇しただけに、ファンダメンタルズの悪さをみれば、下値への値幅が拡大するとみられ、引続きポンドドル売りとしたい。

  英欧財政悪化懸念に、豪ドル・ドルの方向感が定まらない状況だ。今月に入り、大幅な下落となった豪ドル・ドルを買い戻す機関投資家など資本筋が買い意欲を示し始めている一方、ユーロドル、ポンドドルに連動する動きも強めており、完全に豪ドル・ドルのロングポジション売り一巡しない限り、上昇力が出そうにないことが分かる。

 朝方は、下げ過ぎた豪ドル・ドルに買い戻しの勢いもあり、0.82ドル後半までの展開となったが、ユーロドルなどが下げに転じた影響を受けて、短期的な売り圧力にさらされ、一時0.8190ドルまで売られた。また、朝鮮半島情勢をめぐる懸念のため、大量の売りが出やすい状況となっている。機関投資家も一旦、買いで攻めたものの、上値の重さに損切りをしたとの見方も市場にあり、英欧通貨下落に連動するように、下げに転じると観測される。
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