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3月8日 東京市場為替戦略 《8:05》

3月8日東京市場
【市場注目ポイント】
米非農業部門雇用者の大幅改善に、円売り加速するか
米経済先行き楽観視に米長期金利動向
ギリシャ財政赤字削減策、楽観的になるか
独・仏、ギリシャに対する距離感の違い
スペイン、ポルトガル、イタリア財政赤字に対するリスク
FT紙、「債務危機、ギリシャの次は日本か?」との報道影響

【東京市場為替売買シナリオ】
米非農業部門雇用者数の事前予想は5.0万人減から15.0万人減まで幅広く、市場コンセンサスは8.0万人減だったが、非農業部門雇用者数が前月比3.6万人減、失業率が9.7%となり、市場予想ほど悪化しなかった。2月の豪雪を理由に、事前予想は悪化予想する方向にあり、悲観的な見方が強まり下振れ警戒感が強かっただけに、発表後の動きは、市場動向を一変させている。

ドル円は89.20円付近を推移していたが、上値と思われた89.80円を突破すると90.60円付近まで急上昇した。今回の非農業部門雇用者数は大雪の影響で統計に歪みが生じた可能性は高く、来月以降の雇用市場の改善期待されるところが高くなっている。クルーガー米財務次官補も、大雪の影響がなければ雇用統計にプラス圏になった可能性はあるだろうと述べ、天候の統計への影響は一時的だとしている。

新規失業発生に歯止めが掛かっても、新規雇用に弾みが付かない限り、米失業率の高止まりは継続することとなる。このような雇用なき景気回復は、米小売売上高、消費低迷、住宅市場回復の遅れにつながり、米金利の先高感も弱まる可能性を排除できず、ドル円の上昇も限定的と思われる。ただ、FRBは、米雇用市場の改善、失業率が10.0%以下を維持されれば、出口戦略に着手すると示唆しており、急速に早期利上げ観測が浮上しており、ドル円のレンジも上方修正されそうだ。

FRBが公定歩合引上げ以来、ドル円の地合いは弱まったが、2週間ぶりの90円台と言うことから、90円半ば以上の水準は、本邦輸出筋のドル売りが抑えることと思われる。ただ、徐々にでも雇用市場の改善期待に、ドル円の売りも限定的と見られ、底堅い動きが予想される。

一方、他通貨ドルだが、米非農業部門雇用者数が大幅改善したことを受けて、ユーロドルは1.35ドル後半から1.3530ドルまで売られ、ポンドドルも同様に、1.5050ドルから1.4990ドルへ下落した。英欧抱える財政赤字問題のある中、米経済指標の好転がドル買い/ポンド、ユーロ売りとなったが、他通貨下値は限定的となった。悲観的に見られた米雇用市場が大幅改善したことがリスク許容度の大幅上昇に繋がり、ユーロドル、ポンドドルは日中安値から、それぞれ1.3630ドル、1.5163ドルまで買い戻されている。

ユンケルEU議長がギリシャの財政赤字追加削減策は、堅実との認識を示唆する中、ギリシャが発行した総額50億ユーロ10年債が旺盛な需要を集めたことも一因となり、ユーロドルの買戻しとなったようだ。また、ギリシャ首相は、金融市場のすべての根拠のない行動が終結することを期待するとし、ウェーバー独連邦銀行総裁ギリシャが現在抱える難題は、EU圏全体の問題ではないと発言し、過度に売られ過ぎたユーロドルに調整色が強まった感じもする。加えて、ギリシャ政府にやや距離を置いていたサルコジ仏大統領もギリシャ政府が財政再建に苦戦した場合はEU圏が同国を支援する用意があるとしており、ユーロドルに対する悲観論は一時的にも後退すると見られる。

予想以上に改善した米非農業部門雇用者数がドル買いとなる中、英国財政赤字拡大、BOEによる量的緩和とEU圏ソブリン・リスク拡大懸念がユーロドル、ポンドドルの下落を加速させると思われたが、欧米株式市場の上昇と原油、商品市場の回復などにより、市場筋はリスク許容度上昇を優先させた格好だ。ユーロドル、ポンドドルの下値は堅く、東京時間に売り材料が出難く、下値の堅い展開となりそうだ。英欧ソブリン・リスクを材料にドル買い(他通貨売り)を先行させるリスクは高まっているとみられる。

豪ドル・ドルは、中国全人代で今年度の経済成長を8.0%にすることと豪準備銀行に利上げ余地がある中、リスク許容度上昇に連動した資源価格上昇も手伝って、更に上昇する可能性は高まっている。東京時間終了時、豪ドル・ドルは0.90ドル付近を推移していたが、リスク後退による買いが進み、一時0.9090ドルまで上昇している。売り材料が少ないだけに、引続き、豪ドル・ドルの買いは継続したい。

ドル円の急上昇と併せて、豪ドル・ドルの上昇が、豪ドル円の下値を切り上げさせ、80円前半から82.25円まで急上昇となった。対ドルで、円が弱まる時に豪ドルが上昇したため、豪ドル円の大幅上昇となっている。ドル円は本邦輸出筋により、上値が抑えられることも考えられるが、日銀の追加的量的緩和検討と政府による介入資金増額によるドル円の下値の堅さは継続すると思われ、豪ドル円の底堅い展開が予想される。

一方、欧州市場序盤のユーロ円は121.50円以下で推移していたが、米雇用統計発表後、円が対ドルで大幅下落する中、ユーロドルは一時下落したが、リスク許容度上昇を理由に大幅反転したため、ユーロが対円で123.30円まで急騰することとなった。ポンドドルも同様の背景で、134円前半から一時、137.00円まで急上昇となった。

英欧ソブリン・リスクと米雇用統計の悪化予想に、他通貨円の下落を予想したが、予想以上に悪化しなかった米非農業部門雇用者数、3月以降の雇用内容調整期待とリスク許容度上昇を理由にした他通貨ドル買いとなったことが他通貨円の大幅上昇となったため、予想が大きく外れることとなった。

米経済指標が大幅に改善したとしても、英欧ソブリン・リスクがあれば、ユーロドル、ポンドドルが大幅下落する可能性は否定できないが、今回の流れでは、米雇用統計の改善がリスク許容度上昇と判断され、他通貨ドルの買いになっている。その時々で、リスク許容度上昇とみるか、英欧リスク拡大とするか、市場の大勢の動きを嗅ぎ取ることも重要な要因となっている。

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、みなさまに特定の商品をお勧めするものでもありません。上記の為替レートは、参考レートです。

※日中の相場変動、解説はユーロパートナー新着情報に随時掲載致します。

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