プロの為替戦略プレミアム

2月26日 欧米市場為替戦略 《16:10》

 最近の米経済指標の悪化と米政策金利早期利上げ後退によるドル円の下落となったが、月末要因のドル買い需要に89.50円まで上昇した。ただ、上値は本邦輸出企業等の売りもあり、上値は限定的となった。ドル円は米経済指標結果に左右されるため、本日の経済指標結果を見守りたい。

 本日は米シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者態度指数、中古住宅販売件数を控えているが、概ね改善予想だ。特に、米中古住宅販売件数は、前月が悪かっただけに、改善数値は相場に織込まれていると考えられ、それほどのドル買い材料とはなりそうにない。懸念されることは、最近の米経済指標が事前予想より内容が悪いため、悪材料に反応しやすくなっている。

 

 EU圏ソブリン・リスクは依然として、解消されておらず、ユーロドルにとっては売り材料だ。ギリシャ政府は3月の債券発行を今月末までに計画指定していたが、来週以降へ延期され、3月の資金調達に不安が生じてきた。一時、ギリシャ政府が資金面での不安はないと発表したことにより、ギリシャ短期国債への人気が回復し、独国債との利回り差が縮小していた。ただ、ギリシャ政府による今回の資金調達延期など不透明感が強まる中、独系大手金融機関はギリシャへの新規投資を控えると発表し、EU圏など他国のギリシャへの資金還流減となれば、財政削減計画も頓挫することとなる。既に、欧州系大手金融機関は南欧、中東欧諸国への投資額が増大しており、万が一、デフォルトなどとなれば、財務内容の悪化となる可能性が高まるばかりだ。

 

 一方、ギリシャ、イタリア政府は米系投資銀行との間で財政赤字を隠蔽するスワップ取引をしたとの疑惑が浮上しており、FRBが調査するとしている。これらが事実とすれば、EUの監督管理にも責任が発生することなり、ユーロドルの売り材料に発展することとなる。ギリシャ財政赤字削減が計画通りに実行されなければ、GDP13%へ近づく財政赤字を抱えるイタリア、不動産価格下落による経済停滞のスペインへの不信感は高まり、EU全体の財政赤字の問題に波及することとなりそうだ。また、スペイン中銀総裁は、スペイン政府が野心的な雇用市場改革を実行できなければ、同国経済は困難かつ複雑な時期に直面する可能性があると指摘しており、雇用市場の回復が遅れれば、財政赤字をGDP比3%に削減する目標達成も困難になるだろうとしている。

 

 海外市場後半で、1.35半ばへ買い戻されたユーロドルは一旦、1.3530ドル付近へ下落したが、週末のポジション調整により、1.3600ドル付近へ上昇している。ただ、買い材料がない中、ユーロドルの上昇に違和感を覚えるが、EU圏の悪材料を考慮すれば、買い持ちにはしたくない水準だ。一部の米ヘッジファンドは、ユーロドルの売りを積極的に仕掛けるとし、パリティ水準(1ユーロ=1ドル)になることも視野に入れているようだ。ただ、1.34ドル台前半はアジア中銀、国際決済銀行による買いが控えているとされているが、情報は不確かだ。

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