プロの為替戦略プレミアム

1月29日 欧米市場為替戦略 《16:05》

昨日の海外市場の展開に比べると全般に小動きとなったが、ギリシャをはじめEU圏加盟国PIGSの財政悪化懸念を材料に、ユーロドルは1.3970ドルから1.3913ドルへ軟調な動きをした。
独経済技術相は、単一通貨のユーロを使っている多くの国は「危険なほどの弱さ」を抱えており、EU圏加盟国に「致命的な」影響を及ぼす恐れがあると示唆しており、ユーロドルに買い材料がないだけに、今後も下落傾向は継続すると予想する。

本日はEU圏消費者物価指数を控えているが、前回の0.9%から事前予想1.2%へ上昇となっている。ただ、トリシェECB総裁は、EUが定める2.0%以内であれば、インフレ懸念に及ばず、出口戦略を考慮する必要は無いとしている。一方、バルト諸国とハンガリー、ブルガリア、ルーマニアに「金融・財政面の大きな脆弱性」が見られると指摘する意見もある中、欧州系金融機関は中東欧への債権を大量に抱えており、財務内容の悪化が懸念され始めている。これもユーロドル下落に影響を与える要因となっている。

ポンドドルは昨日の水準から150ポイント近い下落となる中、英GFK消費者信頼感調査が改善したことを材料に朝方は短期筋の買いが先行し、一時1.6157ドルまで上昇した。ただ、英国金融市場の流動性低下をキングBOE総裁が懸念している中、一旦、BOE金融政策委員会は2000億ポンド規模の資産買取りプログラムに基づく国債購入を26日に完了している。英国債を管理する部署は、今後の国債消化懸念を示唆しているが、量的緩和政策を再度、導入させないと英金融市場の収縮に繋がり、英経済回復期待は後退することになる。また、英株式市場の流動性も低下することになり、ポンドドル下落に繋がることになる。ポンドドルの上値は重く、日中安値付近の1.6120ドルで推移している。加えて、英国が「世界で最も安定し低リスクの銀行システム」を持つ金融立国ではもはやないとの見方も出ている。本日もポンドドルの流れに変更はないと思われる。

英欧などリスク要因が高まる中、広がる新興国の金融引締め観測、インド・中国金融当局が継続的に金融引締めをするとの見方と資源価格軟調を背景に、豪ドル・ドル下落に繋がり、0.8900ドルを割る展開となった。反転することはなく、安値水準で推移している。ただ、豪ドル円は、ドル円が一時、90円を超えた影響もあり、79.80円付近から80.40円近辺へ上昇した。ただ、ドル円に材料が不足しており、レンジ内の動きとなっており、軟調に推移し始めたことから、79円後半へ戻されている。米GDP改善期待にドル円の動きが底堅く、豪ドル円は上昇としたい。

1月29日 東京市場為替戦略 《8:30》

FOMCで米経済先行きがやや上昇修正されたこととオバマ米大統領がウォール街との対決姿勢を和らげたことにより、ドル売り材料が後退した昨日は、円が売られやすい展開となった。ドル上昇力は弱いながらも、90.50円付近へ上昇した。ただ、米週間失業保険申請件数と米耐久財受注が事前予想を下回った影響から、89.65円近辺まで軟化した。日米間には、米金利先高感と日本側のデフレ、鳩山政権不支持率上昇など相場に与える強弱材料が混在しており、方向感を掴み難い状況だ。市場はレベル感を優先させ、90円を基準に上下レンジ相場を想定しているように思われる。本日も方向感に乏しい展開となりそうだ。とりあえず、89円半ば以上での買い需要も観測される。

 

ユーロドルは1.40ドル半ばから1.3950ドルまで下落し、予想した通りの動きとなった。目安とされた独国債とギリシャ国債の利回り格差は前日より30ポイント近く拡大している。その背景には、独仏両国がギリシャ政府支援を否定したことが影響している。既に、ECBEUEU加盟各国の財政赤字への支援を拒否している。また、ポルトガル、スペインなどEU圏経済後退による財政収支悪化懸念は強まり、国債格下げ懸念に繋がっている。金融政策はEU加盟国による一元化だが、財政運営は各国政府に委ねられており、EU存亡の危機を訴える政府関係者もいる。各国の財政健全化策が明確にならない限り、ユーロドル下落は継続するだろう。短期筋の買戻しも観測されるが、ユーロドルを買上げる材料はない状況だ。本日も1.4000ドル付近を損切りに下値を探る動きだろう。

ユーロ円は、欧州市場序盤のドル円上昇に影響され、一時127円付近まで買われたが、ドル円の上値が限定的だったこととユーロドル下落に拍車が掛かったことにより、125.20円まで急落した。ドル円が90円台を維持していたとしても、ユーロドルの下落がユーロ円下落には影響させている。

1月28日 欧米市場為替戦略 《15:55》

市場では、昨日のFOMCで、長期間の低金利政策継続が決まったが、米国経済回復基調を確認したうえ、長期にわたる超低金利の維持はもはや正当化されないとの意見もあり、ハト派的金融政策からのタカ派の出口観測が強まっている。確かに、ドルは堅調に推移しているが、対円での上昇が顕著となっている。米金利先高感を背景に、円は90.40円付近まで上昇し、底堅い展開となっている。

オバマ米大統領がウォール街との対決姿勢を強めると観測していたが、金融規制との関連で「金融機関に罰を与えることではなく、米経済を守ることに関心がある」とトーンダウンしたようだ。支持率低下に悩むオバマ政権は、雇用の充実と財政健全化に注力するとしており、ドル売り材料とみられていた一般教書は、完全に反対の動きの材料となった。

また、日本のデフレ・景気後退が鮮明になる中、日本銀行は周回遅れの量的緩和策などを実施する必要もあり、出口戦略から程遠い状況にある。また、日本政府の国債発行額が膨大となり、米格付け会社のアウトルックが一段引下げられている。加えて、鳩山政権支持率低下もあり、円売りへ傾きつつあると思われ、下げた場面での買いに転じたい。ただ、ドル上昇力には欠ける為、値幅は限定的と予想される。

一方、このようなドル上昇の中、確かにユーロドルは軟調な展開を続けているが、ドルの強さによって、ユーロが下落したとは考えられない。毎度、触れることだが、不透明なギリシャ財政再建計画などEU圏ソブリン・リスクが拡大しており、EU圏の弱材料によるものだ。ギリシャの赤字国債発行は継続すると予想され、その財政規律維持は困難との判定が下されている。恐らく、ドルが売られる地合いとなっても、ユーロドルの上値は抑えられることが予想される。

EU圏ソブリン・リスクを目安としているのは、独国債との利回り格差で、現在370ベーシス・ポイントを超えている。また、スペイン、ポルトガルと南欧諸国のGDP比赤字発行は12.0%を超える状況にあり、中東欧へ財政悪化拡大が懸念されている。この流れに乗って、ユーロドルは一時1.3937ドルをつけているが、短期筋の買戻しに1.40ドル前半まで回復している。買い材料がないだけに、ポジション調整後のユーロドル売りを継続したい。

1月28日 東京市場為替戦略 《8:40》

相変わらず、ギリシャ財政悪化が問題となっている。一昨日の海外市場で買い戻されたギリシャ国債だったが、独国債との価格差は380ポイントに迫る危機的な水準となった。一方、スペイン政府の財政悪化も浮上しているが、比較的安全とされる独市場へ資金流入が加速しており、イタリアやポルトガル国債などEU圏国債がアンダーパフォームしている。

この状況を受けて、ユーロドルは一時、1.40ドルを割込む展開となった。ユンケルEU議長は、ギリシャ政府の破綻やEU離脱を否定し、ギリシャ政府の財政再建計画を支持すると示唆した。ただ、ギリシャ政府の提案する財政改善計画がEUで承認されるか議題となっている。今後も赤字国債増発を余儀なくされる環境に、EUが直接、支援することはなく、ユーロドルの下落圧力になっている。売られ過ぎとの見方もるため、一旦買戻しもみられるが、上値は限定的だ。1.40ドル半ば付近での売りとしたい。

ポンドドルは、英国経済回復の遅れを懸念した英株式市場下落と英GDPが事前予想を下回ったことを受けて、1.6110ドルへ下落したが、米MBA住宅ローン申請指数が悪化するとの予想から、市場のショートポジションの損切りが加速し、一時1.6240ドル付近へ急上昇した。この上昇は予想していなかったが、英国財政悪化による国債格下げ懸念、英国政局混迷など基本的な売り材料が潜在しており、売られる速度も早かった。ポンドドル売りは継続だ。


注目されたFOMCは先ほど発表されたが、政策金利を0.00%~0.25%に据え置き、長期間異例に低水準とすることが確認された。これだけをみれば、前回と同様の内容であり、相場に影響は無いと考えられるが、米経済活動が引き続き強まりと雇用市場後退の鈍化が確認され、政府機関債と住宅ローン担保証券(MBS)の購入プログラムを3月末で打ち切る方針が再確認されたことにより、出口戦略がより鮮明になった。また、ホーニグ・カンザスシティー地区連銀総裁が低金利の長期化に反対票を投じたことにより、タカ派的発言が浮上し、ドル買いに転じている。

1月27日 欧米市場為替戦略 《15:57》

【市場注目ポイント】
オバマ米大統領、一般教書
FOMC政策金利公表
米住宅新築販売件数
バーナンキFRB議長再任確認
EU圏ソブリン・リスク
英経済見通し悪化
急落したドル円に水準是正発言あるか

【欧米市場為替売買シナリオ】
 材料不足から動きが鈍いと思われたドル円だが、一時、中国金融当局が前日実施したとされる一部銀行の預金準備率引き上げを否定したとの観測が流れ、89円半ばへ買い戻される場面もあった。ただ、北朝鮮の発砲報道が地政学リスクとはならず、有事のドル売り材料にされたため、本邦輸出企業のドル売りを誘い、89.20円付近まで下落した。

米格付け会社が日本国債のアウトルックを引下げる中、「政治とカネ問題」を抱える鳩山政権運営に先行き不安が強まっており、デフレ状況の日本には円売り材料が豊富だ。ただ、現状の市場は米側材料に反応することが多くなり、緩やかながらも円高傾向が継続している。日本政府がデフレ宣言をしたものの、財政出動に迫力はなく、日銀の金融政策も積極的な量的緩和に至っておらず、デフレ・円高対策に不十分と判断され、ドル円の上値は重くなる可能性は否定できない。また、本邦メガバンク増資払い込みに絡む海外勢の円買いも噂となっており、円高に拍車をかけている。

一方、 不透明な財政改善計画を提示しているギリシャ政府と昨日の期待はずれの英第4四半期GDPによって、ユーロドルとポンドドルの上値は1.4095ドル、1.6151ドルで抑えられる展開となった。特に、ギリシャ政府の曖昧な財政健全計画はECB及びEU委員会は納得しておらず、今後も財政赤字を埋め合わせる為に国債発行増額を目論んでいるようだ。実質的な財政規律が厳守されない状況が続くことになれば、EUの存続にも問題が生じかねず、ユーロドル下落にならざるを得ないだろう。これら懸念材料によって、今後もユーロドルの展開は下値を探ることとなるとみている。一部報道では、ギリシャ政府が中国政府に国債購入を要請しているとしているが、中国政府が完全否定すれば、更に売り材料となる筈だ。

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、みなさまに特定の商品をお勧めするものでもありません。上記の為替レートは、参考レートです。

※日中の相場変動、解説はユーロパートナー新着情報に随時掲載致します。

おすすめFX会社

経済指標カレンダー

政策金利表