5月31日 週間為替予想 1日~5日 《13:45》
米経済指標の改善によるリスク許容度上昇と同時に、北朝鮮地下核実験、ミサイル発射など地政学的リスクに円売りが強まる展開となった。依然として、ドル上値が重いと見る短期筋も多くあり、直近高値96.70円と安値93.85円の61.8%戻しの節目となる95.61円を突破したことから、ドルの上昇に弾みをつけ、リスク許容度上昇により、円が対ドルで売られるというシナリオに沿った動きとなった。また、先週の米経済指標は概ね内容は良かったが、米5月消費者信頼感指数の事前予想42.0が54.2と大幅に上回ったことが、リスク回避後退を強めることとなった。市場の懸念材料である米財政赤字拡大、不透明なGM再建交渉、米国債入札の札割れ観測や米国債格付けの下げなどドルに対する不安材料はあるが、米国債入札は順調に終始し、米国債格付け下げ懸念は、S&PがトリプルAを維持する旨の発表をしたことで、ドル売りを回避することが出来た。一方、GM債務削減交渉は不調に終わったが、オバマ米政権は70%の株式取得を表明し、事前調整型の破産を目指し、6月1日に破産法11条を適用申請する方向にある。この点に
遅れる独金融機関不良債権処理観測に一時、ユーロドルは下落する場面が見られたが、大方のEU圏経済指標は改善傾向が強まり、米経済回復期待に世界的なリスク許容度は急激に上昇する地合いになっている。ただ、EU圏のデフレを懸念するECBメンバーに、追加利下げの可能性を示唆する発言が相次いでいる。EU圏主要国は、これ以上の利下げが将来のインフレをもたらす危険性を危惧しており、その他のEU弱小国は目先の流動性を高めることを優先させたいようだ。今週末に開かれるECB定例理事会が注目されるが、全前回決定した非伝統的金融政策の実施について、詳細が話し合われると思われ、0.25%の利下げの可能性は低いと見られる。また、引下げた場合、それ以降の金融政策に約まり感が強まり、むしろ、ユーロドルの下落に繋がる可能性は高まることだろう。市場には急激なユーロ高による輸出不振を懸念する声も聞かれるが、ユンケルEU委員長は、ユーロの一段の上昇はEU圏経済回復の妨げになるとしたが、その水準は現在の水準よりユーロ高としており、ユーロドルの上値余地を許容している。また、原油価格などコモディティ市況など上昇する傾向にあり、目先のインフレ抑制にもなり、ユーロ高を懸念するECB幹部の声は聞かれない。テクニカル面は、先週からの動きを継続すると見られ、1.45ドル、1.47ドルが次の目標になる。今週の指標は、製造業購買担当者景気指数(1日)、EU圏失業率(2日)、サービス部門購買担当者景気指数、EU圏GDP(3日)、EU圏小売売上高、ECB定例理事会(4日)となっている。概ね、結果に大きな変化はないが、失業率は8.9%から9.1%へ悪化するが、相場に織り込まれている可能性は高く、一時的なユーロドル売りで済むことだろう。ただ、リスク回避後退する中、EU圏小売売上高の大幅回復に敏感な反応が期待できる。
ドル円 93.85円~97.50円
基本戦略 GM債務削減の遅れに破産法11条適用だが、材料出尽くし感からドル底堅い。景況感指数改善にドル上昇期待強まるが、米雇用統計悪化見通しにドル上値も限定的。
ユーロドル 1.3980ドル~1.4500ドル
基本戦略 EU圏失業率悪化、ECB利下げ観測に一時的にユーロ弱含むが、米経済回復後退懸念強まり、ユーロドル買い先行。ECB定例理事会後は材料出尽くしにユーロ買戻し強まり、1.45ドル目指す。
ユーロ円 133.50円~139.50円
基本戦略 一時的に回復したリスク許容度の低下にユーロ円緩む場面もある。ドル円の下値限定的の中、ユーロドル買戻しに連れたユーロ円上昇に期待できる。
※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、みなさまに特定の商品をお勧めするものでもありません。上記の為替レートは、参考レートです。
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